カーリース利用時に車を全損させてしまった!そんな時に知っておくべき全損事故時の正しい対応&対策
リース車の所有者はカーリース会社にあることを知っておこう!
カーリースは、月々定額の料金を支払うことで車を定められた期間貸し出してもらえるサービスです。契約期間は3年、5年、7年など、長期に及ぶ場合が多いです。リース車の所有者はカーリース会社で、使用者はカーリースの利用者です。車検証にもそのように記載されます。
月々のリース料には、車両代や登録諸費用、自動車取得税に加えて、契約期間分の自動車税、自動車重量税、自賠責保険料、車検代などが含まれている場合が多いです。オプションなどによって、メンテナンスサービスを契約に含められるカーリース会社もあります。
個人向けカーリースの契約では、多くの場合に「残価設定」があります。
つまり、契約満了時点での車の残存価値(残価)を予想して設定し、その金額をあらかじめ車両価格から差し引いてリース料を算定します。残価設定があると残価がマイナスされる分だけリース料を安く抑えられます。
ただし、契約満了時に返却車両の査定が行われ、査定価格が残価を下回ると不足分を請求されることがあります。そのため、車の価値が残価を下回らないように大事に扱わなければなりません。
一般的に言って、カーリースの契約満了時には下記の選択肢が与えられます。
1 車を返却して契約を終了する
2 車を返却して新しく別の車をリースする(車の乗り換え)
3 リースを延長する(再リース)
4 残価で車を買い取る
ちなみに、残価設定がないカーリース契約では、契約満了時に車をもらうか返却するかを選べるのが通常です。
カーリースした車で事故を起こした時の対応はどうする?
車で事故を起こした場合、まず、怪我人がいないかどうかを確認しなければなりません。怪我人がいるならば、必要に応じて救助をして、救急車を呼びます。また、警察に連絡する義務もあります。さらに、任意保険に加入している場合は保険会社にも速やかに報告しましょう。
ここまでの対応は、自家用車で起こした事故にも当てはまることです。
しかし、カーリースの車で事故を起こした場合には、警察や消防、保険会社だけではなく、カーリース会社にも連絡する必要があります。車の所有者はカーリース会社だからです。これを怠ると契約違反となりますので注意が必要です。
また、事故でできてしまった車の損傷は、その程度に関わらずカーリース会社に報告するようにしましょう。小さな傷だからといって黙っていてはなりません。車のプロがチェックすればすぐにバレてしまうでしょう。契約満了時の車の査定額に影響し、精算金が発生してしまうことも考えられます。
車の修理の方法に関しては、カーリース会社の指示に従いましょう。契約によっては修理工場が指定されており、それ以外の場所で勝手に修理するとトラブルの原因になります。
修理工場が指定されていない場合も、安く済ませる目的でいい加減な修理するのは禁物です。車の所有者は自分ではなくカーリース会社であるということを忘れないようにしましょう。
カーリース利用時に事故で車を全損させてしまったら?
カーリースの車を事故で全損させてしまったらどうなるのでしょうか?
車の所有者は利用者ではなくカーリース会社であるため、車が全損した場合は契約続行が難しくなり、強制的に解約となってしまいます。そして、不慮の事故での全損とは言え、違約金が発生する場合が多いです。
車の全損時の違約金は、大まかに言えば下記の計算式で算出されます。
「違約金」=「残期間分リース料」+「設定残価」+「事務手数料」-「未経過費用」
※カーリース会社によって違約金の算出方法は多少異なります。
この計算式を見ると分かる通り、車が全損になった場合には途中でカーリースの利用が中止となる訳ですが、それでも残りの契約期間のリース料を全額支払う必要があります。
また、車が全損になり価値がなくなってしまった訳ですから、契約時に設定した残価も全額負担する必要があり、事務手数料も請求されます。
これらの金額から未経過費用、つまり、「契約に含まれる費用の中で解約日までに発生しなかった費用の合計」が差し引かれるとしても、違約金がかなり高額になることは容易に想像できますね。
ですから、万が一の全損事故に備えて任意保険に加入しておくことは大切です。
リース契約には自賠責保険が含まれていますが、自賠責保険では相手方の身体に関する損害しか補償されませんし、補償額の上限も低い金額なので、事故に備えるという点で不十分です。任意保険への加入は必須だと言えるでしょう。
任意保険の種類は1つだけではない!カーリースの全損にも対応しているかを要チェック
先ほど、カーリースを利用する際には任意保険に加入することが重要であることについてご説明しました。ただ、一言で任意保険と言っても、それにはいろいろな種類があります。任意保険の種類には大きく分けて下記の3つがあります。
1 賠償責任保険
相手の人や物に対する保険です。交通事故で相手を怪我させたり死亡させたりした場合や、相手の車に損害を与えた場合の賠償金を補償してもらえます。
2 損害保険
自分や同乗者に対する保険です。交通事故によって自分や同乗者が怪我したり死亡したりした場合に保険金が支払われます。
3 車両保険
自分の車に対する保険です。交通事故で自分の車を損傷させてしまった場合に修理費用等が補償されます。
以上の保険のうち、賠償責任保険と損害保険だけの加入ですと、自分の車が受けた損害については補償されませんので、車の全損時には費用をカバーしてもらえません。全損事故に備えるためには、車両保険に入ることが必要だと言えるでしょう。
ただし、通常の車両保険ですと、車の全損時にかかる違約金の全額はカバーしてもらえないことが多いですから、よく確認しましょう。補償額が車の全損時の違約金と同額になる特約を付けられれば、なお安心です。
もしくは、カーリース専用の保険を用意しているカーリース会社もありますので、そうしたところを利用するのも1つの方法です。カーリース専用の保険であれば、車の全損時にも十分な補償をしてもらえる保険内容になっているからです。
カーリースの契約は長期に及ぶことが多いですから、リース期間中に事故に遭うリスクもそれなりにあります。車が全損になることなど考えたくもないかもしれませんが、現実に起こり得ることです。
万が一の時に慌てないように、事故時の対処法をしっかり把握しておきましょう。また、任意保険加入という対策をしっかり講じておくようにしましょう。
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