法人や個人事業主必見!カーリースの経費処理の方法とは?
車を購入した場合の経費処理の方法は?
社用車を購入した場合の経理処理の方法について、確認していきましょう。
社用車を購入すると、その車は「車両運搬具」という固定資産とされます。そのため、経理処理をする際、会社の資産として計上する必要があります。
車は長期にわたって使用することを前提に購入しているため、購入した年に一括で経費としては計上できません。利用する期間である「耐用年数」に応じて、その年ごとに計上していきます。これを「減価償却」と言います。
減価償却の方法には「定額法」と「定率法」の2種類があります。最終的に経費処理する金額は同じですが計上するスピードが異なります。特別に届出を出さなければ、法人は定率法、個人事業主は定額法が適用されます。
定額法は、その名前の通り、毎年同じ金額を資産として計上します。定率法は購入した年に最も多くの費用が計上され、徐々に減少していきます。
例えば、100万円の貨物自動車を購入した場合、減価償却の流れは具体的に以下のような流れになります。
・貨物自動車の耐用年数は5年なので、5年かけて経費処理する
・定額法だと毎年20万ずつの計上となる
・定率法だと貨物自動車の減価償却率が50%なので、最初の年は50万円計上する
・その翌年は25万円、翌々年は12万5,000円といったように金額が下がる
つまり、車の購入費用を一括で支払っていたとしても、すべてその年の経費として計上できず、経費処理が完了するまで5年かかります。そのため、社用車購入にはまとまった資産が必要なのです。
カーリース契約の種類について
法人や個人事業主に向けたリース契約にはいくつか種類があり、カーリースの場合もこれらのどれかに当てはまります。
所有権移転ファイナンス・リース
中途解約ができませんが、契約満了した際はリースしていたものをもらえる契約です。使用時にかかる費用は借主が負担します。
所有権移転外ファイナンス・リース
中途解約、費用負担に関しては上記の形態と同じですが、契約期間が満了しても、リースしていたものは手に入りません。同じものを使い続ける場合は、契約を継続し、再リース料を支払うか、所有物にするために買い取らなければいけない契約になります。
オペレーティング・リース
ファイナンス・リースに当てはまらない形態です。カーリースはこの形態であることが多いでしょう。契約満了時の残価設定があるのも、この形態に振り分けられることがほとんどです。
これらの契約形態によって、経費処理の方法は異なり、どの契約形態が良いのかは各事業によります。経費処理の基礎知識をしっかり得て、よりお得な価格で利用でき、事業にも合っている形態を選択しましょう。
カーリースの経費処理を徹底解説
それでは、それぞれの契約による経費処理の基礎知識を見てみましょう。
所有権移転ファイナンス・リース
契約満了時にリースしていたものをもらえる契約となるため、所有者名義が契約者に変わり、ローンを組んで購入するのと同じような形態とみなされます。節税効果を狙ってカーリースを選択するのであれば、この形態の契約だとメリットがなくなってしまいます。
つまり、カーリースの場合でも資産としてみなされ、通常購入と同じように耐用年数に応じた減価償却で経費処理を行わなければいけません。
所有権移転外ファイナンス・リース
所有権移転ファイナンス・リースと似ていますが、契約満了後リースしていたものを返却しなければいけないため「リース期間定額法」を用いて、減価償却が行われます。
まず「車の取得価格」から「残価補償額」を引いた金額を、契約期間の月数で割ります。その金額に、その年のリース期間の月数を掛けたものを経費として計上します。
ただし、契約者が中小企業である場合、リース期間が1年以内、カーリース料の総額が300万円以下など、一定の条件を満たすなら例外が認められます。
そうすると、この後に説明するオペレーティング・リースと同じ、シンプルな方法で経費処理が行え、カーリース契約のメリットが生まれます。
オペレーティング・リース
単なる「貸出」とされる契約なので、借りているものは契約者の資産とはみなされません。カーリース契約でも経費処理時に減価償却する必要はなく、シンプルに毎月のカーリース料金を、その年の経費としてそのまま処理します。
法人や個人事業主にとって、この形態によるカーリース契約が、最もカーリースを行うメリットだと感じる内容でしょう。
経費処理をはじめとするカーリース利用のメリットとは?
社用車を購入するにはまとまった資金が必要ですが、手元の資金をすべて車に当てるわけにはいきません。資金運用状況によっては、一括の出費ではなく、分割にしたいと思うかもしれません。
しかし、ローンでの分割払いの場合、経費にできるのは金利のみです。経費となるのは一部のみなので、節税という観点からするとデメリットが大きくなります。
一方、カーリースで社用車を導入した場合、オペレーティング・リースであれば、毎月のカーリース料すべてが経費とされます。
カーリース料金の中には車に関連した税金、車検などのメンテナンス費用が含まれているので、それらをまとめて経費処理できます。そのため、節税という観点から、カーリースを選択する法人や個人事業主が多いのです。
他にも、法人や個人事業主がカーリースを利用するメリットがあります。
頭金が不要
カーリースには頭金が不要です。契約時にまとまったお金を支払うことがないため、初期費用を抑えられます。
経費処理が簡単になる
ここまで見てきたように、社用車を購入した際の経費処理の仕組みは少し複雑です。その年だけ処理をすればいいのではなく、数年間、複雑な経費処理を行わなければいけません。
業務に役立つように導入したはずの社用車が、経理の仕事を複雑にするのは本末転倒だといえるでしょう。
カーリースを利用すれば、その年に支払ったカーリース料金をそのまま計上するだけとなっています。契約期間中はその金額が変わることなく、同じように処理するのでとてもシンプルです。
特に個人事業主だと様々な処理を自分で行わなければいけないため、経費処理がシンプルになるに越したことはありません。
節税効果になる
同じ分割払いでもローンだと金利しか経費になりませんが、カーリースは車にかかる諸費用が、そのまま経費として計上できるので、節税につながります。
社用車にかかる費用、維持の管理がしやすい
車の維持費には定期的な整備点検費用、メンテナンス費用、税金がかかります。突発的に消耗品の交換費用が発生することもあります。そのため、車の購入金額に加え、そういった維持費にいくらかかるのかを計算し、必要経費として取り分けておかなければいけません。
カーリースであれば、それらを含めた料金を月割りにして支払えるため、車の維持にかかる年間の費用を計算する手間が省け、管理しやすくなります。
また、大抵の場合、点検やメンテナンスを、いつ、どこでやるかをカーリース会社から指定されます。税金の支払いも含め、車に関わる手続きをお任せできるので、業務を増やすことなく、社用車を維持できます。
車の入れ替えをスムーズにできる
カーリースは契約満了後、使用していた車を返却し、新しい車を契約できます。乗り換え時に売却、購入の手間や費用が掛からず、常に良い状態の社用車を使用できます。
このように、法人、個人事業主のカーリースの利用にはメリットがあります。社用車を導入する際にはカーリースの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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